コカコーラを飲むカストロ(00/05/03)
日本までのハガキは2ー3か月かかるということなので、真偽を確かめるため、朝食後、ホームページ作成を手伝ってくれたN先生(!)に礼状を書いた。
メールなら一秒なのに。(ちなみにハガキも1か月で着いた)
今日は本当は海に行く予定だったけど、ツアーが満員で明日になった。
で、いい加減な情報ばかりでモノ言っててもいけないので、日本大使館で資料もらったり、色々教えてもらうことにした。
大使館は、各国の施設や要人の家がある5th Avenue という海沿いの、ビバリーヒルズみたいな所にあった。
分かったこと
1、キューバでは一応、70%が公務員(なるほど、これが一番分かり易い社会主義の定義だな)
2、土地や家屋の私有は認められている。貧富の差もある。配給制度は劣化してきている。
3、ドルにアクセスできる国民は50%と言われるが、政府関係者、医者、教師、研究者などはペソしか持てないことになっており、実質的には生活を維持することが困難になってきている。
4、昨年1月にローマ法王がキューバを訪問。信教の自由についてもある程度前進している。(事実上、すでに信教の自由はあるみたいだが、布教みたいなことは駄目なのかも)
5、エリアンちゃん事件については、キューバに戻れば、社会的に不利になるどころか、家や車が提供されるなどの大歓迎になるだろう。(つまりそれだけカストロは国際世論に敏感だということ)
6、カストロの健康不安説は一応消えた。98年には7か国を歴訪。今もスケジュールをこなしているようだ。現在ではむしろ退陣がいつになるかの議論よりも、来るべき政権交替がどんな形で進められるかが問題。
7、国民の多くは今もカストロを支持。だが、経済面での不満はある。(例えばドルを持つ者と持たざる者の格差)
8、経済成長を支えているのは観光。98年は140万人で20%増。観光収入も18%の伸び。オールドタウンの店舗については特殊な公社が運営している。その他の産業では砂糖が24%の減収、タバコは22%の増収。
9、半体制活動についてはかっては30年以上投獄されていたが、最近では逮捕されるケースそのものが減少。もし逮捕があったとしても4ー5年が大半である。(国際世論や人権問題への配慮と、避けられない自由化の波の影響か。それとも自信?余裕?)
10、一昨年が日系移民100年で、色んな行事があった。日系人は670人、うち一世は30人くらい。駐在員は50人程度。
で、次に日本人会を訪ねてみた。
が、不在。そう言えば今日は憲法記念日だった。(関係ないか)
帰りのタクシーでモロ要塞により、その後、再度、中華街探しにトライしてもらうことにした。何せしつこい性格なもので。
で、あった、あった。
デカイ門のだいぶ先にちっちゃい門が。
何だかZ会の添削問題が解けた気分だぜ。
ワンタンスープ12ぺソ(60円)、チャーハン24ぺソ。
庶民価格とはチト違うかも知れないが、気にいったぜ。
がんばれチーノ!!
この店で5人づれの日本人のネーチャン、おばちゃんんグループと会った。空港を出てから日本人と会うのは2組目。彼女らはちゃんと勉強してきてるし、多分、お金も使ってるから、観光情報については、僕なんかよりずっと詳しい。
オンナ5人でキューバ。日本人もなかなかやるね。
で、僕は大使館でゲットしてきた情報を、まるでずっと前からの社会常識として知っていたかのように教えてあげた。
幸運にも一矢報いることができ、ホッとした。
午後からは、列車に乗ってみようと思った。
六本木とか広尾とかだけじゃなく、田無とか松戸とか西淀川区とか、普通の街はどんな感じなのかなと思って。
で、リキシャをチャーターして駅まで行ってみた。
島の端から端までは、一晩で行けることがまず分かった。切符の買い方もだいたい分かった。
でも、本数が少ない上、ほぼ全てが午後に出て朝着くというパターン。つまり、3時の汽車で2時間乗ってA市についても、帰りの汽車は朝の6時までないみたいな。
一瞬、100キロ以内の街なら、バスとかタクシーでも何とかなるかもと思ったが、やっぱりまた今度にすることにした。
今度があるのかどうかは分からんけど。
で、すごすごとホテルに戻り、バンメシどうすっかーと思ってたら、昨日、球場で隣に座ってた3人組のにいちゃんたちが電話をくれた。
もってきたお菓子とかいろいろくれたので、ホテルと部屋番教えて、今度飲みに行こうと言ったの。(でも実はすっかり忘れてた)
で、メシをごちそうすることになった。
彼らの、キューバに対する意見は
「結構、イイ国。ただし給料が、ドルに直すともの凄く安くて、最新の物が欲しくても買えないことを除いて」
みたいなことで共通していた。
あずきのスープみたいなのがついた料理を食べた後、ホテルのバーへ。
万一何かあったらヤバイので、A君、B君、C君とするが、まずA君がそこに飾ってあったカストロの写真を見ていわく。
「なんだよー、このカストロ、コカコーラ飲んでるじゃねーか?」
(ニヤニヤ)
続いてB君が、その下の写真を指さして
「この写真は、なぜかカストロが魚釣り大会に優勝した時のもんだ。なぜなんだ?? why?why?」
(要するにイカサマだと言いたい訳)
C君はもっぱら通訳だったのだが、それにしてもキュ−バの公務員は海の中で待ってないといけないのか??
で、3人を送って帰るためタクシーに乗ったら、今度は運転手がカストロの弟の悪口を言い出した。
もちろんよく分からないが、サルサばっかり踊ってて、アホだという様なことを言ってるらしい。
皆で大笑いしている。
怒ってるというより、何だか愛がこもってる。
結構、言論も自由だなと思った。
おじさんと海(00/05/04)
キューバ1と言われるリゾート地・パラデロに行った。
ツアーの集合は8時だったけど、目が覚めたのが5分前。昨日、久し振りに結構飲んだのと、夜、布団の外に出てた右腕を5箇所も蚊にやられて何回か起きた(指の関節まで噛むんだもの)。
それに、頼んでおいたモーニングコールも来なかった。
で、焦ってロビーに降りたけど、結局バスが来たのは8時40分。(よくある話)
120キロ先の一流リゾートで、ランチ付き、施設内のドリンク飲み放題。で、45ドルは高くない。
一行はスペイン3人、メキシコ4人、キューバのスタッフ4人、それに僕。
言語は僕以外、全員スペイン語。
マドリッドからのカップルがあれこれ英語で助けてくれた。
キューバの道は、高速道路も発達してるし、かなりいい。
さすが公務員の国だけあって、インフラは東南アジアの中進国よりも発達しているかもしれない。
(下の写真はただの一般道)
そう言えば数か月前、バイクでキューバを横断した人がTVで紹介されていて、
「随分、勇気ある冒険家だなあ」みたいな目で見てたけど、
あんなの馬鹿みたいに簡単だな。今思えば。
(キューバにお越しの方は是非、国際免許を!)
途中の風景は、単なる荒れ地に牧草地、そしてさとうきびやパイナップル畑。
二か所くらいに、結構大きな工場もあった。
マタンザという、いい感じの海沿いの街を通った。
地方の街も豊かな感じで、来る前のイメージとだいぶ違う。カストロの社会主義政策ってやはり、かなりうまく機能してきたのだと思う。
で、老後の居住候補地の一つにこの街をノミネートした。
海外との合弁と思われるリゾートホテルについて、男ばかりで一部屋割り当てられ、あとは16時半まで自由行動。でも日本の旅行者が、このホテルで過ごそうとすると、やっぱりパッケージになっちゃって、すると42万なんて金額になるんだろうな。
まずはハバナに宿をとって、日帰りツアーに入り、気に入ればハバナの一泊を捨てて、こちらに泊まるというのがオススメかも知れない。
ホテルの方はハワイやバリやサイパンの「最」がつかない高級ホテルって感じだけど、海はとても奇麗。ざっと見た所、お客はアメリカ4割、メキシコ3割、ヨーロッパ3割という所か。(ヨーロッパの割合はトップレスの女性数から推計)
アジア系は(僕の知る限り)僕とシンガポールor香港のカップルのみ。
帰りのバスでは、参加者が皆、結構仲良くなり、各国対抗のジョーク大会。
一応、英語で参加した。
でも、いくつもの国の人が同じ母国語で笑いあえるってうらやましい。スペイン語圏ってなかなか広いし、特にこれからはかなり、有望分野じゃないかという気がした。
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旅はまだ続く(5/7)
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