付記:旅はまだ終わらない(00/05/07)
 
 今、成田さん空港への飛行機の中。
 ヒマつぶしに書いてるんですが、実は最後のちょっとしたドンデン返しで、荷物がなくなちゃった。
 まあ、一人旅は、あれこれトラブってなんぼだけどね。
 で、旅の参考にしたいという人と、さんざん遊んでるからだ、ざまーみろという方は引き続き読んで下さい。 
 
 ハバナ空港のカウンターで、メキシコシティーロス間が(ハバナからと同じメキシカーナじゃなく)UAとの共同運航(運航主体はUA)って分かった。で、実はちょっとは、ロスまでスルーの荷物、大丈夫かなーって思ったんだよね。
 でも、メキシコではできればティオティワカン行きたかったし、空港にはロッカーなんかもない感じだった。
 で、ピラミッド見物中に、タクシーが荷物積んで逃げちゃったりしたら厭なので、結局、最近はやりの共同運航という枠組みに賭けることにした訳。

 メキシコ空港のバゲッジの所では、行きのロス空港同様、自分の荷物がちゃんとスルーの方に分類されてる事を確認した。
 で、まあ大丈夫かなと思ってたら、昨日書いた様に、そのUAのフライト自体がキャンセルになった。

 僕はまず、支払い先であるメキシカーナに行き、切符の変更と荷物の控えを見せてスルーが大丈夫かどうかを確認。で、指示に従いメキシカーナの提携先であり、実際のサービスを提供して運賃を受け取る側だったUAでも同様の確認をした。
 で、書面をもらい、指示されたエアロ・メキシコのカウンターに行って搭乗券をゲットした。
 飛ばないUAのタックをつけた荷物を誰が探して、エアロに乗せてくれるのかなーと疑問だったので、ここでも荷物タックを示して確認した。

 で、皆ノープロブレムって言ってたのに。
 案の定。
 本当にメキシコシティ空港とは、相性悪いわ。

 何で乗ってないんだよー。
 だからスルーって、今イチ信用できないんだよー。
 服や本はともかく、おみやげや撮ったフィルムや免許証や携帯電話や、初日に買った頼まれ物のおプラダ様はどうするんだよー。
 着替えもないし、靴下も臭いよー。えーん、えーん。
 
 なんて泣いてても何も出てこないので、まずはエアロのバゲッジクレームへ。同じ様な人が十人くらい集まってるけど、対応はおじいさん一人。何だか気の毒。
 メキシコシティまでの経路はバラバラだから、探すの大変だろうな。
 でもこれって、本当にエアロだけの責任なのか?

 で、いくら待っても順番が来ないので、UAにも行っておくことにした。
 UAのバゲッジクレーム、最高に態度悪かった。
 はっきり言おう。
 6日の夜に勤務していた白髪のオヤジ、おまえだ。
 オレをメキシコ人だと勘違いしてただろ。いずれにせよ、差別意識丸出しだぞ。

  (以下、やりとりを再現)

奴:ここはUAだぞ。エアロは向こうだ。

オレ:向こうにも行ってるが、いっぱいなのでこっちにも来た。(で、事情を説明)

奴:なぜUAに来る?そんなもんUAに責任あるか!

オレ:(執拗に責任回避するとは、お前B型だな)
  飛行機会社間でどういうルールになってるかは知らない。責任あるとも言ってないよ。ただ、かくかくの事情でオレの荷物にはUAのタックが着いている。だから多分、まだ荷物はUAのエリアにある。もしかして明日以降にここに届くかも知れない。

奴:何でエアロの荷物がここにくるんだ?ここは(大きな)UAという会社だ。

オレ:だから言ってるだろ、(また同じ説明)

奴:ちょっとチケット見せてみろ。(で、心から見下げた表情)これはメキシカーナだよ。(何でそんな会社と間違われるんだ?)メキシカーナの話なら、UAじゃなくメキシカーナに行け。あっちだ。(アホのヒスパニックを追い払う感じ)

オレ:(ちょっと切れた)お前、それでもプロか?よく見てみろ。その便はUAとの共同運航で、飛ばしてるのはお前の会社だ。

奴:(コンピュータたたいて)オー、ほんとだ。だがこれはキャンセルされている。だから、UAには何の関係もない。

オレ:だから何回も言ってるだろ。だけど、オレの荷物はそんなの知らずにメキシコにいるの。たまたまオレだけがエアロのチケットで来たということになっちゃってるの。

奴:しかし、全ての責任はエアロだ。だからエアロに行け。

オレ:だから、エアロにも行くよ。だけど、タックはUAだから言っといた方がいいのかなと思って来たんだよ。

奴:そんなこと我々の知ったことか。UAには何の責任もない。

オレ:バカヤロー(日本語)。
  勝手にキャンセルしといて何て態度だ。エアロはお前の失敗をカバーしてるんだぞ。もとはと言えばお前の飛行機が飛ばなくなったからこんなことになってるんだぞ。それに、UAからエアロへの申し送りが悪かったって可能性はないのか?

奴:OK.What can I do for you?

オレ:とにかく、荷物を返せ。ここに届いたらエアロに回せ。それとオレはヒスパニックじゃなく日本人だ(だから何ってこともないけど)。

奴:とにかくお前はエアロに行くべきだ。
  全責任は「UAではなくエアロにある!!」。

  (もう分かったよって思いつつ、これは not but の構文だなーっと思った)


 で、エアロに行ったら、おじいちゃん、ようやく一段落ついた所。ドミンゴっていう人。この人は本当にいい人だった。
 まず、待たせて悪かったって言うんだもの。
 さっきまで、あれだけ色々クレーム聞いてて、なかなか言えることじゃない。
 日本に帰ってからの連絡の取り方も含め、実に丁寧な対応だった。やっぱり、ヒスパニックはいい人多いよ。
 アメリカ人の駄目な奴はホントに駄目。一体、何様だよって奴がいる。


 で、全部終わってリトルトーキョーの日系ホテルに入ったのが23時。
 試しに、フロントでいきさつを話し、何lか出来ることある? こっちにいるうちにやっといた方がいいことある? と尋ねてみた。
 するとさすがにA型の国。
 「お泊まりの期間以外はお荷物を受け取れませんので、日本のご住所はちゃんとお伝えいただけましたか?」
ときた。
 で、「別に出来ないことを聞きたい訳じゃないんですが」って言ったら、
 「万一今夜中に連絡が入りましたら、部屋までご連絡させていただきましょうか」だってさ。
 (そんなの当たり前じゃねえかよ)
 石ノ森章太郎のマンガ読んで、何かを期待した自分が馬鹿だったよ。

 朝、チェックインの前に、念のためドミンゴさんの所に寄った。で、メッセージだけ残した。
 多分、戻って来るんだろうけど、何せ相手がエアロ・メキシコじゃあ、日本に支社なんてないんだろうな。
 メキシカーナのこともあるから、一応、旅行社にも言っとくべきだな。


 で、今はブァリグの中なんだけど、早いチェックインだったせいか、席がビジネスになっていた。
 全日空のマイルも溜まるし、気にいったぜブァリグ。 
 まっ、捨てる米あれば、拾う伯ありだな。
 
 皆さんも飛行機会社は選びましょうね。

 荷物がどうなったか、結果が出たらまた書きます。
 皆さんも乗り継ぎ便とメキシコ空港と某社のアフターケアには、どうぞ気をつけて下さい。


          (完)    


追伸:荷物は5月13日に、自宅に戻って来ました。なぜか大韓航空で。しかも送り先も荷主の名前も付けずに。
 多分、エアロに便がないからなんだけど、中の名刺見つけて電話くれた大韓航空の人も、なんでブァリグやUAじゃなくウチの便なんですかねっ−て不思議がってた。まっ、ケンチャナヨ&カムサハムニダ。
 ありがとう、ドミンゴさん。あんたはプロだ。
 多分。

 それから先日、麻布十番の近藤様に、外国人との喧嘩の仕方の極意を教わりました。
 「できるだけ日本語を使って怒れ」。

 さすがメキシコでカジキ鮪漁一筋に生きてきた人の言葉は重い。
 
 ひとつ賢くなりました。有り難うございました。 



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