3.アンボセリ国立公園(5/3-4)                                       

 ケニアで迎える初めての朝は爽快だった。
 早朝、フェアビューホテルから、小型国内線のウィルソン空港へ。

 で、小型飛行機でキリマンジャロ(山頂はタンザニア)近くの、アンボセリ国立公園に移動した。

 ケニアには鳥獣保護区を大きくしたような国立公園がいくつかあり、アンボセリやマサイ・マラへはこの小型飛行機の便がある。

 で、アンボセリまでは車だと片道5時間くらいかかるのだが、これだとたったの40分。
 料金は片道88ドル、往復150ドル。

 でも、一体どんな飛行機なんだ?
 「ワキウリ」のお陰で仲良くなったホテルのボーイ(彼は5千と1万の世界記録もってるエチオピアのゲブレシラシエに似ている。って言っても誰も知らないか?)に
「もし落ちたら、遺骨はアフリカの大地にまいといて。日本はもういいから」と
一応、遺言を残しておいた。

 でも、乗って見ると全く問題なし。
 結構、安定している。
 で、広大なサバンナを見ながらのフライトはなかなかのもので、かなりおすすめだと思う。
 お客も少ないし(笑)。




 ただし、恐らくは到着先は「保護区」の中にポツンと滑走路があるだけの空港だと思うので、
ロッジなどに予約を入れ、迎えを確保してないとエラい目にあうかも知れない。
 先月もそれで、某国の観光客3名が、チータやハイエナの餌になったらしいから(*1)。


 それから、サファリについては、時間に余裕がある人はナイロビで予約する方が絶対お得。
 ちなみアンボセリの場合、日本では1泊の車ツアーが52000円。
 飛行機だと、1泊で何と76000円(!!)もする。
 で、だからサファリのパッケージツアーは、どうしても40万くらいはかかる、ということになっている。

 一方現地では、例えば僕が泊まったロッジの主催ツアーが2泊4サファリに、飛行機の往復で480ドル。
 アンボセリ空港で、僕が来た飛行機でナイロビに戻る、同じツアーの智恵ちゃんご一行と会ったけど、
(キリマンジャロ氏に次いで、この旅2番目の日本人観光客!)(上の写真中央)
彼女らはアフリカ在住の友だちと一緒に、2泊で300ドル台の現地ツアーだと言ってた。

 まあ日本の旅行社の人たちは「予約していく方がいいです」とか「これしかありません」とか「早くしないと行けなくなりますよ」とか言うだろうけれど、
少なくとも日程に余裕がある人は、あまり気にするべきではないと思う。

 あと、訪れるのは別に雨季や大雨季でも気にしないこと。
 別に「大雨季」ったって、日本の梅雨のデカイ奴って訳じゃないから。
 逆に乾季だとサバンナが砂漠みたいになって、かえって大変かもですよ!



 にしても。
 アフリカの大地って格別。
 アメリカもロシアも中国もそりゃデカいけど、
所詮は人が主人公で、何だか余裕がなく、ギスギスしている感が否めない。
 人が多いと、どうしても大なり小なりの、争いごとや駆け引きやせめぎ合いがおこる。

 だけど、ここでは自然が主人公だ。
 で、人間はあくまで付け足しというか、ギャラリーみたいな存在だ。
 だからかどうかは知らないけれど、ものすごくほっとする。


 午前と夕方、2回のサファリにトライした。


         

 左:象さんの行列(20頭くらい。向こうに見えるチッチャなツブツブたちも)


     

 左:ライオンは寝ている


  

 右:フラミンゴの群れ


 さて、僕が宿泊したのはセレナというロッジ。
 このロッジのサービスマインドは抜群。

 まずはチェックイン時に、ウェルカムドリンクとあわせ、
マネージャーが「何でも困ったことあったら言ってくれ」みたいなことを言いながら、名刺をもって挨拶に来た。
 で、庭師とか掃除のおねえさんなんかも皆、会う度に笑顔で「ジャンボ(コンニチハ)」。
 主要従業員は、まあ一応唯一の日本人だったこともあるけれど、ほぼ全員が名前を覚えてくれた。
 電気蚊取り機はもちろん、プールやバーなどの設備だってある。
 エステもあり、おねえさんのマッサ−ジもなかなかだ。
 ついでに、足にけっこう長いトゲがささった時も、従業員総出で手当してくれた。
 (さすがにゴムサンダルは止めた方がいいかも?)


 


 おまけに、部屋の前まで、象さんやお猿さんが遊びに来る(*2)。

 


 ちなみに、お客の数でいうとフランス、ドイツ、イギリス、アメリカの順で、日本は5番目だとか。
 僕がいた時も、フランス人団体と、あとはアメリカ人っぽいのが10人くらいって感じだった。


 その後、夕方のサファリの帰り。
 スタッフに、オブザベ−ション・ヒルという、360度の高台(左下の写真・奥に見えてるヤツ)から
夕陽を見てみないかと誘われた。

 その日の夕方のサファリは、
僕とアメリカ人の環境ジャーナリストのおばさんだけだったのだが、
二人して登って見て、
インド人でもないのに、二人してびっくり。

 何と。
 その日の新客である僕たちのために、
10人くらいのスタッフが「ウェルカムパーティ」を準備してくれていたのだ。


  


 やってくれるよ。
 これって絶対に、A型には出来ないサービス。
 環境ジャーナリスト氏と議論(?)しながら飲んだシャンパンは、さほどうまくはなかったけれど。


 その後ロッジに戻ると、今度は庭でバーベキューをやってるという。
 メンバーはアメリカ人の5人家族とさっきのおばさんと僕。
 もう「環境問題はいいよ--」って感じなのに、またしても一緒にテーブルを囲まされた(笑)。

 で、話をそらそうと、5人家族のおっさんに僕の今回のスケジュールを話したら、
「お前、それってホントに休暇なのか?」だってさ。


 確かに、とんだ「貧乏症旅行」には違いないよ。
 あんたらのに比べれば。


 なことで。
 夜もふけてきたし、もう満腹だな--(メシにも会話にも!)と思った時、
急に庭の片すみにスポットライトが当った。

 で、僕らを待ち受けていたのは、マサイ族のショー。

  


 これでもか、これでもかと演出は続く。
 ほんとに、やってくれるよね。

 やはりここには、2泊くらいすべきだったかなーっとちょっと悔やんだ。


 ちなみに、このロッジでは結婚式もできるらしい(1070ドル)。
 これは、かなりおすすめだと思った。



 (*1)(*2)はもちろんウソですよ。念のため。



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