第1日:暗号を解読しよう
ようこそ、本当に一週間でできちゃうハングル講座へ。
まだ半信半疑のあなた。
騙されたと思って、まず1日目だけでも真面目におつきあい下さい。
まず、イ-・チュンヨ君をご紹介しましょう。 彼です。
イ−っていう字は、「李」って書きますが、名字以外に、「これ」っていう意味もあるんですね。
で、「チュンヨ」っていうのは「重要」って書きます。
南北会談後の金大中さんの第一声、「マンナンゴシ、チュンヨハムニダ」の中にでてくる「チュンヨ」ですね。
「マンナ(会う)ン(した)ゴッ(事)イ(が)チュンヨ(重要)ハムニダ(です/〜します)」
ねっ、単語も語順も日本語によく似てるでしょ。
で、ここだけはモノにしてねって所には彼、イ−・チュンヨ君が出てきます。
時間や根気がない人、単なるひやかしの人(大歓迎です)は、彼がいるところと、あとは太字部分だけを、まずは追ってみて下さい。
さあ、始めましょ。
韓国には「シヂャキパニダ」って諺がありますから。
「シジャク(始作:はじめること)イ(が)パン(半:はんぶん)イダ(である)」。
始めたら半分終わったようなものだって意味ですね。
じゃ、まずは文字の成り立ちから。
ハングルは、漢字が分らないお百姓さんたちにも一晩で読み書きができるようにと、世宗(セジョン)大王(韓国の1万ウォン札のおじいさん)によってつくられた、地球一合理的な表音文字です。
まあ記号みたいなもんですね。
で、たった22文字しかありません。
子音がカ・ナ・ダ・ラ・マ・バ・サ・(無声)・ヂャ・ハ。つまりK(G)・N・D(T)・R・M・B・S・(無声)・CH・H の10種類。
母音がア・ヤ・オ・ヨ・オ・ヨ・ウ・ユ・ウ・イ・エ・エの12種類。
「何でウが二つあるんだよ-」っていうあなた。ちょっとうるさいよ。
英語でも「ア」が3つか4つあるでしょうが。
もちろん発音は少し違うのですが、気にしないでいきましょう。
韓国人は「ケンチャナヨ」(気にするなよ、まあええやんか)の国民。
十年やってそれでメシ食ってるなら別ですが、まずは細かい事はどんどんあっちにおいてっちゃいましょう。
よくいるでしょ。
ちょっとかじっただけでやめたくせに、何々語はいかに発音が難しいかとか、男性名詞女性名詞がどうだとか言ってる国際通ぶったおっさんが。
じゃ、お前、英語はちゃんと正確に発音できるのかよって聞きたいよね。
それと、参加者の9割を挫折者にしてしまうような教え方もどうかしてると思う。
特に第二外国語教えて、教授だ助教授だって言ってる人たちには、それでもプロかよっていいたい。
言葉なんて訓練さえすれば、誰にでも、買い物したり手紙書いたりくらいはできるようになっている。
にもかかわらず、三人称単数の「s」とか「a」と「an」の違いみたいなことばかりで、つまずかせていてどうする。
で、さっきのカナダラ・・・なんですが、まあ「あかさたな」みたいなもんで、韓国語の辞書はこの順番でならんでます。
皆さんは文字を読んだり書いたりは、今回、別にできるようにならなくてもいいです。
もちろん、そちらに興味がある人もちゃんと勉強できるように作っていきますが。
ただ、いずれにしても、文字のしくみくらいは理解しておいて下さい。
日本人には、次の覚え方の方が簡単です。
要するに、それぞれのハングル記号が、どのアルファベットに対応するのかを、気にいった記号から覚えていってください。
上の表は、横軸に母音の「あいうえお」を示してます。
カタカナの「ト」みたいなのが「a」。縦棒が「i」。uは二つありますが、横棒の方は唇を横に開きます。eも二つあるけど、発音はだいたい同じ。右から2番目のoは、「ア」の唇で「オ」。あとは日本語と同じです。
縦軸には子音を「あかさたな」順に並べてます。
「o」みたいな字には発音がありません。だから「o」+「ト」は「ア」、「o」+「l」は「イ」ですね。
「フ」みたいなのは「k/g」。「コ」の逆さまは「t/g」。だから真ん中の「ウ」との組み合わせは「ク」と「トゥ」または「ドゥ」と読みます。(「ツ」って発音の字は後ででてきます)
同様に、「人」みたいなのが「s」、「レ」みたいなのが「n」、「口」みたいなのが「m」です。
気にいったのから覚えていけば、もう60%はおしまい。
韓国行ってもじぇんじぇん怖くないね。(ちなみに韓国語には「z」はない。それと「k/g」「t/d」については、とりあえず、語頭では「k/t」、語中では「g/d」というふうに濁って発音する、みたいな感じでイメ−ジしておいて下さい)
じゃ、次の単語を読んでみて。
はい、よくできました。(1)は子供っていう意味。じゃ、(2)(3)は??
分かる訳ないだろってのは大間違い。
(2)は靴。
日本語そっくりの単語はこの他にもいっぱいあるよ。
例えば漢字の音読み言葉は、だいたい共通のようなものだと思っていい。
じゃあ、(3)は?
奈良の「ナラ」だよね。これが「国」っていう意味。
古代の日本と韓国が本当に近かったことがよく分かるでしょ。
実は日本からあっちに行って韓国語になった言葉も多いし、その逆も結構ある。
例えば「うどん」や「かばん」は韓国でも同じだし、「はらペコ」とか「ハナから」とかは韓国の言葉が語源じゃないかな。
つまり、日本人にとっての韓国語は、あんまり努力しなくても覚えられる単語がけっこうあるってこと。
何だか希望がわいてきたでしょ。
じゃ、残りの文字についても一気に行っちゃうよ。
くれぐれも、別に覚えなきゃ次に行けないってことはないから、気楽にね。
はい、分かったね。これで65%マスタ−。
じゃ、試しに次の単語を「解読」してみて。
因みに(4)は地球、(5)は住所、(6)は私、
(7)はズボン(ステテコのこと、「パッチ」って言うよね)
(8)は馬鹿っていう意味。
(4)(5)(7)は意味まで想像できるけど、(6)(8)は覚えなきゃ駄目じゃね-かって声がしたぞ。
そりゃそうさ。外国語なんだから。
でも、単語や表現はあまり詰め込まず、自分が使えるな-ってものから覚えていくこと。
例えば英語でも、 「This is an
eraser」なんて使ったことないでしょ。
今回、最後までに出てくる260の単語やフレ−ズのうち、自分にあったものを3分の2くらい覚えたら、ちょっとスゴイと思うよ。とりあえず。
で、ここからはちょっとややこしくなるけど、こんなのもあるんや-って感じで、覚えれる所からマスタ−してって下さい。完璧主義にならずに。
これが「ヤ」行。見たことある母音に一個つくと「ヤ」行になる。
読み方は下の通りなんですが、じゃ、(9)から(11)の意味を想像して見て下さい。、
はい、よくできました。
(9)は理由、(10)は牛乳、(11)は野球でした。
韓国語はこうやって、2-4個の記号からなるひとかたまりの文字が、漢字一つを表してるんだよ。
ここまでで文字の理解は70%。
で、次は
それぞれのかたまりの一番左は、見たことある文字だよね。
で、真ん中の点とかがついたやつ。
「激音」(げきおん)というんだけど、読み方はまあ同じで、ちょっと強めの息を吐き出すような発音なんだよね。日本語で言えば「ラッパ」の「パ」みたいな感じで。
二つ重なってるのは「濃音」(のうおん)と言って、逆に息を吸い込みながらみたいな感じの発音。大阪弁の「コ−ヒ−」の「コ」なんかが、もしかしたら近い感じかも。
でもまあ、特に最初のうちはケンチャナヨ。
適当でもなんとか通じるから。
まっ、点がついたり、2つになっても、あまりビビらないことだね。
ここまでで80%。
で、次は
子音が重なって「ワ」行に近い音を出す場合。
例えば一番左は「オ」と「ア」で、「オア」。つまり「ワ」みたいな感じになる訳。
まあこれも、22文字をスム−ズに識別できるようになれば、そのうち慣れます。
また、多くの人は、識別自体にこだわることもありません。明日以降は原則、カタカナで行きますから。
で、(12)は「ウィサ」、医者ですね。
次の2つは重要なので必ず覚えて下さい。
(13)がwhy、(14)がwhatです。
「ウェ」ってのは「なんで?」、「ムゥオ」ってのは「何?」って意味で、このまま使えます。
韓国の店で店員が「ムゥオル トゥリルカヨ」って言ったら、何をさしあげましょうかって意味ね。(あとでやりますが、語順も助詞も日本語と一緒で、「何」「を」「さしあげる」「(未来形)」「ましょうか」ってな感じで置き換えてくだけです。今、やめるとじぇったい損ですよ!!)
さて、文字についてはもう、90%まで来ましたね。
あとは3文字、4文字の組み合わせだけです。
始めに習った子音、
が、文字の下に来る場合があります。
「パッチム」といいます。
たいてい3記号の組み合わせで、この場合は左上−右上−下 の順に発音していきます。
4記号(上2下2)の組み合わせの文字もあります。
原則左上−右上−左下−右下 の順で発音していきますが、下のいずれかを発音しないことも多く、単語によって異なります。
ついでに言うと、2つの文字を続けて読む時に、言いやすくするためにつなぎの音の発音が変化することもあります。
連音っていいます。正確に言えば話は逆で、話し言葉が先にあったからなんですが。
まあ、「反応」を「はんおう」って読まないようなものです。
だからと言って、特にはじめのうちは、あまり気にしないこと。
まあ、これらは1つずつ、感じで覚えて行った方がいいと思います。
小なりといえども使えるようになれば、そんなチマチマしたことは、そのうち出来るようになる筈です。
じゃ、解読してみましょう。
(15)はイルボン、日本です。日はキム・イルソン、キム・ジョンイルの「イル」ですね。因みに1日2日の「日」も「イル」です。「日曜日」は「イリョ−イル(イルヨ−イル)」。
(16)はハッキョ、学校です。真面目に読めばハクキョですが、少し変化してます。
(18)はチョナ、電話です。真面目に読めばチョンファですがね。まあ、これでも通じます。そんなんじゃヤダ-、ちゃんとやりたいと思う人は1つずつ覚えていくか、つまらん文法に1ヶ月かけるしかないです。
(19)はセンワル。生活です。「o」は下に来ると抜くような感じの軽い「ng」になります。真面目に読めばセンファル。
じゃ、最後になぞなぞ。学生ってどう書く?
そうですね。当たりです。
(16)の学(ハク)と(19)の生(セン)で学生。
(17)番ですね。
こんな感じで漢字をうまく覚えてくのも語彙を増やすコツなんですよ。
じゃ、本日はここまで。よくできました。
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