第6日:エストニアからオスロ
(11)タリン(EST おすすめ度:★★★★★)
ロヴァニエミからの飛行機は15時にヘルシンキ着。 荷物基地となっている空港で衣服を着替え、空港バスで中央駅を経由して、エストニア行き高速船乗り場へ。
バルト3国の1つ、エストニアは、海を隔ててヘルシンキの真南。
一見、遠そうですが、実は高速船でたった1時間半、ビザ不要、往復5千円で行けるんですね。
日帰りも十分可能。
でも今回、僕はわざと1泊の行程にしました。
エストニアに「ファミリー・ホテル・サービス&ネットワーク」という200軒くらいの民宿組織があると聞き、
旧ソの人んちへ泊まるのって、なかなか面白いじゃんかと思ったからです。
で、まずはこれが二塁打。
申し込みは、電話で住所を教えられ、直接訪ねるという一見乱暴な感じだったんですが、タクシーに乗れば全く問題なし。
僕が泊まったのは、ズワヤさんっていう一人暮らしのおばあさんのアパートだったんですが、
部屋も立地も悪くない。
(左:ズワヤさんの「客室」 右:高速船の中はこんな感じ)
実は、家族のだんらんに巻き込まれたら、遊びにいけないからヤだなーと思ってたんだけど、
ダンナが5年前に死んだとか、子供がどうしてるだとかの話を15分くらいしただけで、
あとはカギ預けられて「エンジョイ・タリン!」で、はいおしまい。
メシなしの15ドル(協会の均一価格)は現地の物価水準からしてどうかなあ? って気がしないでもなかったけれど、まあ月に何人か客が来て、それでおばあちゃんが食ってけるならいいことだねって感じでした。
で、夕方、旧市街に出たんですが、これがよかった。
まさに中世そのもので、はっきり言ってストックホルムのはもちろん、ロマンチック街道のローテンブルクなんかよりはるかにいい。
観光客なんか皆無で、静静静。
物価は、安安安。
美人は、多多多。
それに、街そのものが何かスレてないよ。
ということで、何とも言えない幸せで豊かな旅の気分を満喫しつつ、2時間くらい散歩しました。
さらに20時を回り、陽が傾き始めると、街の表情一変。
レストランやカフェに、ものすごく多くの人が集まってきました。
麻布や北野みたいなおしゃれな店がずずずらーっと並び、ストリートミュージシャンはもちろん、野外劇なんかも。
いやあ、ここって別に観光地ではないし、
旧ソ連だからって馬鹿にされてる面もあるかも知れんけど、皆、楽しんでるよ。
日帰りにしなくてよかったし、中世と夜のにぎわいで「ドラ」2つ乗ったって感じがしました。
翌朝も早起きして、街をぶらぶら。
でも、昼間だけじゃ、この街のよさは分かりませんね。
なんたって、ここは住んでる人たちが楽しもうって所なんだから。
ヘルシンキに行く人には、ここでの一泊、絶対おすすめですよー。
(12)オスロ(NOR おすすめ度:★★★)
午前の高速船でヘルシンキに戻り、さらに空路でオスロヘ。15時着。
ここでの僕の「是非モノ」はムンク。
閉館時間を気にしながら、国立美術館とムンク美術館をかけ足で回りました。
「思春期」「マドンナ」は国立の方に展示してあるんですが、いやぁ感激しました。
「叫び」については宮尾すすむを思い出しただけでしたが(笑)。
有名作品だけを見たい人は国立だけでもいいかもなんですが、ムンク美術館もまずまずでした。
中味もさることながら、受付おばさんの外国人対応に感心。
いろんな国から来た全ての客に積極的に声をかけて、なごませてます。
「オー、日本から来たの? 私、横浜にペンフレンドがいるのよ。それから、あなたたちこの美術館については誇っていいわよ。だってここの改修費は全部、出光が寄付してくれたんだもの」
ってな感じ。
スポンサーをヨイショするあたりが、さすがプロですね。
「単に、有利に原油確保したいからだけなんじゃないですか?」
なんて言いそうになりましたけど(笑)。
それと、空港がおしゃれなのにも、びっくりしました。
コンクリートのうちっぱなしと、フローリングの木材みたいなので、トイレの中(下の写真右)に至るまで、全てが統一されてます。
僕が知る限り、世界で一番カッコいい空港だと思います。
国や地域の持ち味を十分発揮している公共建築物だという点も含めて。
あと、空港から中央駅への電車(2000円!)の中の3人席で、
黒人にはさまれた白人が、ひっくり返って黒になったあたりも、
さすがオスロだと思いましたね。
(白白白)
とはいえ。
「是非モノ」がない人にとって、
オスロの観光魅力は、多分、ストックホルムやヘルシンキよりもだいぶ落ちるんじゃと思わざるを得ません。
サービス整備も不十分だし、街や服装とかもちょっとどんくさい感じ。
美人度でも今回の5国中、多分第5位。
北欧人たちの有名なジョークに、
「フィンランド人にデザインをやらせ、スウェーデエン人に作らせ、デンマーク人に売らせて、ノルウェー人に運ばせろ」というのがあるそうなんですが、
まあノルウェーって、ちょっと田舎モンっぽい、
「中三トリオ」で言えば森昌子みたいな感じの国なんでしょうね。
夕方、中央駅で翌日のフィヨルド観光の通し券(1万2千円)を買った後、ホテルについては無難に駅前のサンルートみたいな所に決めました。
ノルウェー中心に同クラスのホテルが「ゴールデンチューリップホテルズ」というネットワークを形成しており、海外予約の一括化などに取り組んでると聞いていたので、その一つに。
で、夕食は鯨。
これも当然、「是非モノ」だよねー。
ガイドブックに載ってた日本料理屋で、あの懐かしい竜田あえ(給食給食給食)。
後は、ゆでたのを焼き鳥みたくビールのつまみにして、たらふく食べました。
本日の一句:
タリンもの それも少しはあろうけど
心やさしき 元マルキスト達
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