サムライ・ミッション(2003・12)
12月14日(日) フセイン逮捕?
13時半に家族と関空へ。
12月6日公開の「ラストサムライ」のロケ地である京都を中心に、関西各地を紹介するミッションに参加するためだ。
国のビジットジャパンキャンペーンが300万、京都府市と僕らが150万ずつを負担し、
米国からの来客誘致に熱心な京都の宿泊施設や料理店、
現地でアトラクションを行う舞妓衆や太泰映画村の俳優さんら総勢30名からなる実行委員会を結成。
副委員長(笑)のオレは、
京都を足場に訪問可能なそれ以外の場所(近郊地としての神戸、大阪、奈良、飛鳥+ラストサムライ関係地として吉野、姫路、伊賀上野、伊勢)を紹介する役じゃ。
日本を訪れる旅行者は、別に京都だけを旅する訳ではないからな。
北米での同種事業は、
過去11都市(シアトル・サンフランシスコ・ロス・シカゴ・ミネアポリス・デトロイト・NY・ワシントン・ボストン・バンクーバー・トロント)計17回も開いたことがある(うち13回は100名規模、昨年の4回は日本への旅行に熱心な旅行社のみが対象)。
だけど、自らアメリカに来るのはキューバ旅行(「世界の街から」参照)以来。
かなり久し振りじゃ。
特定地域と組んでこの種の事業を行うのも、5ー6年前に奈良県市とソウル・釜山でやって以来。
過去の催しにも多少のアトラクションを加えることはあったが、
今回のような本格的なアトラクション・メンバーの同行は初めて。
大勢の地域の観光事業社と組んで海外に行くのも、実は初めてのことじゃ。
で、同日朝にSF着。
警戒厳重じゃ。
それもそのはず。
どうやらかの国でフセイン「と思しき人」が逮捕・・・というか捕獲されたらしい。
(DNA鑑定ったって、その、元の資料を提供した人物が偽者だったら、一体どうなるんじゃ?)
何たってこちらは大変な荷物を抱えている。
着物あり、三味線あり。
あまけに、刀までありじゃ。
今回も2名の「サムライ」がSFの税関を通れず、
別便でロス入りする羽目になった。
ダウンタウンにあるビルトモアホテルまで、何とかたどり着いた「サムライ」いわく。
「出発時間になっても詰問され放しだったのでどうなることかと。
けど英語って、しゃべらんといかんと追い詰められたら、何とか通じるもんですなあ(笑)」
打ち合わせ夕食会はホテル横のシーフード店。
12月15日(月) キャラですむ話か?
さて。
そもそも今回のミッションを企画し、国の予算を獲得してきたのはK社だった。
現地での運営や舞台回しも原則、全て彼らがやることになっている。
のだが。
担当者のキャラにもよるのだろうが、
あまりにもルーズでアバウトな話が多すぎる。
プレゼン内容は「プロである」彼らが作ると主張するので、
ならば早く皆で調整するためのタタキ台を出してくれと、ひと月以上前から口をすっぱくして言って来たのに、
出てきたのは何と出発の3日前。
それも全然ダメなヤツ。
で、結局、京都と僕らがそれぞれ原稿を作り、
内容も彼らが主張する「武士道のロマン」と、
京都のイメージPRと、
僕らの周辺地紹介、次いで参加している事業者紹介と、完全なパッチワークになってしまった。
ゲストへの案内も本当に彼らにできるかどうかが心配だった。
なので、よければ使ってくれということで、自分たちの過去のリストをかなり昔に提供した。
が、何と発送したのが開催の3日前。
どゆこと?
おまけに、こちらに来てから、
日本から送った荷物約25個口が全く着いていないことが判明した。
おいおい。
キャラですむ話か?
今日は午後からJNTO訪問と会場準備。
で、夕方からセミナーなんだが
・・・結局、荷物が着いたのは何と開場の10分前だった。
プレゼンについては結局、彼らが推薦する「プロ」が一括して行うことになったのだが、
はっきり言ってイマイチだった。
会全体の流れも悪かった。
メシも明らかに少なかった。
これでは全くもてなしていることにはならない。
日本人の参加者からも同じような感想が多かった。
が。
それよりも何よりも。
参加者が40人ほどしか集まらなかった。
かつて日本に招聘したことがある記者たちや、若き日に近畿地方整備局の大阪国道工事事務所にいた松本副領事と再会できたのは嬉しかったが。
プレゼンにせよ配送にせよ、なぜせめてあと1週間早くきっちりとこなすことをしなかったのかなあ?
多少の経験者から言わせると、ロスは世界中でもこういう事業を最もやりやすい都市のひとつ。
1つでも多くの商談をするために来ている事業者の皆さんからもブーイングがでた。
半分「お客さん」状態のオレたちはまだいいが、京都のスタッフはまさに板ばさみ状態じゃ。
当然、夜は大糾弾大会(笑)。
今回の企画、発想はよかったし、K社の彼を抜きにその実現は考えられなかったのだが、
非常に初歩的な部分、技術的な部分が全くダメだった。
いいかげんなやり方をする奴とはできんな。
会社じゃなくて、対個人の話。
久し振りに切れた。
12月16日(火) 街頭ジャック
もちろん、K社企画の全てが駄目だったという訳ではない。
光るところもあった。
本日は街頭パフォーマンスデーで、
当方はこういうジャック系など、やったことも考えたこともない。
場所は、リトル東京とチャイニーズ・シアター前。
昨日のことがあるので全く期待せずに臨んだのだが、
出来はまずまず、というか予想以上のものだった。
なるほどこういうやり方があるのかと、素直に勉強になった。
昨日もそうだが、本当に舞妓&サムライ衆の存在は大きいよ。
これにてロス行程は終了ということで、夕方、ユニオン駅付近までジョギングした。
メキシコ人村のようなものがあり、何かイベントをやっていた。
夜はリトル東京で全員の懇親会。
事業者の方々と交流できるのも、とても貴重な機会だ。
何代目かの同年代が多く、
しかも多くが留(遊?)学の経験者で、英語も話せる。
さすが京都。
他地域では絶対こうはいかないぞ。
昨日のでき(特に参加エージェントの少なさ)に相当に怒っていた彼らも、
どうやら雪どけ気配か?
明日は4時半起きでNYに移動。
12月17日(水) NYへ
移動日。
レキシントン48にあるホテルにチェックインしたのは夕方。
NYはもう7ー8年前、バハマ帰りに立ち寄って以来。
久し振りじゃ。
ロスとは違って活気がある。
街もけっこう綺麗になっているようだ。
治安だってかなり改善されている。
ちと、寒いけど・・・(笑)。
ところで。
ガイドさんによると、
米国にエンパイア・ステート・ビルができたのは、何と昭和6年のことだったらしい。
知らなかった。
満州事変の年じゃ。
戦争しても勝てる訳ないわなあ。
夜、連日のミーティング。
修正できる点は修正し、何とか立て直すしかない。
林家木久造ラーメン。
12月18日(木) 旅恥掻捨
朝、京都スタッフとサムライ姿でJNTOへ。
皆、旅の恥はなんとか・・・というモードになってきた?
向こうの所長と体面した時には笑った。
相手はこの異様な風景に、こいつら何を言い出すのかと警戒しているし、
京都側は京都側で、何だか自分たちが「サムライ」になったかのような、
まあ言ってみれば、ヤクザ映画の後の「健さん」状態。
奇妙な沈黙が場を支配したよね(笑)。
その後、ロックフェラーセンターまで行列。
オレは忍者衣装なのだが・・・なんぼ何でもこりゃ寒いぞ。
それと。
見られ方というのはいかにも格好に左右されるようで、
まるで「サムライ」の家来か、
太秦映画村のADを見るような視線じゃ(苦笑)。
午後から「日本倶楽部」での商談会の準備。
できはまあ、ロスに比べれば格段によかった。
引き続き領事公邸でのレセプション。
100人くらいが参加。
夜は単独行動。
ブロードウェイまで「吉野家」を食べにいく(笑)。
一気に土地勘が蘇ってきた。
12月19日(金) マンハッタン縦断マラソン
事実上の最終日。
なぜだか、5時半くらいに目がさめた。
集合時間は11時なので「マンハッタン縦断マラソン」を挙行することに。
コースは以下の通り。
7:00 ホテル(散歩) →7:15 国連本部(ジョギング) →8:10 バッテリーパーク(散歩) →8:30 グランド・ゼロ(写真↑:地下鉄) →9:00 セントラルパーク・ノース駅
(以下、110:セントラルパーク北ー48までジョギング)
→9:30 メトロポリタン美術館(競歩:笑)
→10:15 ダコダハウス →ジキル&ハイド →五番街 →ロックフェラーC →パークアベニュー
→10:45ホテル
12時より「ヘラルドスクェア」にて、ジャックものの2回目。
盛況。
満足できる出来。
現地メディアに混ざり、日テレ、テレ朝、TBSも取材に。
全国メディアってこういうことすると集まってくれるのね
ってことが分かった。
にしても。
クソ寒い中。
偉いのは2人の舞妓さん(19歳と16歳!)&「おサムライ」さん方じゃ。
プロじゃ。
僕らの数倍は大変だろうに・・・「武士道」じゃ。
サムライの主役・西村さんは実際に「ラスト・サムライ」にも出演されているのだが。
15時半くらいから、このツアー最初で最後の市内観光。
19時半から、イタメシ屋で打ち上げ。
12月20日(土) 機内にて
朝4時起きで日本へ。
どうやら米国内の警戒態勢がBランクに格上げされるらしく、
空港のチェックインには2時間半を費やした。
関空集合時から着物姿を通してきた舞妓衆も髪をおろし、
「サムライ」も「サムライごっこ」も当然洋服。
なので全く「視線」を感じない。
寂しいぞ(笑)。
関空着は日曜日の夕方5時前の予定。
順正の湯豆腐が食べたい。
すみや亀峰庵の貸し切り露店風呂にも入りたい。
いずれも今回の参加事業者・・・なのだが、
ともあれ皆さんお疲れさんどした。
「世界の街から」とびらへ
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